顕微鏡(マイクロスコープ)を用いた歯科治療
    ~「見えない」治療から「見える」治療へ~

当クリニックでは全国的にはまだまだ珍しい顕微鏡を使用した治療を行っています。

なぜ、私たちは顕微鏡を使用するでしょうか?

歯科治療は狭くて暗い口腔内の処置を肉眼で行っているため実際には見えない・見えていない部分が多く、ほとんどが歯科医師の経験と勘に頼って行われています。その結果、齲蝕に感染 している部位の取り残しや削りすぎ、歯の神経の中の組織や感染部位の取り残し、人工の詰め物・被せ物の不適合などにより、一度治療を行った部位が数か月から数年でもたなくなり再治療になるケースが多くみられます。歯は何回もの治療に耐えられませんので再治療を繰り返す悪循環によって早期に抜歯に至ります。

最近ではこの問題を解決する方法があります。それが顕微鏡を用いた治療です。顕微鏡は術野を3.4倍から21.3倍に拡大して確認することができ、狭くて暗い部位には顕微鏡から高照度のライトを当てることにより明るくすることができるようになりました。

線にしか見えないこの場所をマイクロスコープで拡大(約20倍)して見るとNIPPONGINKOとはっきり見えます。

そして明るく拡大することにより治療部位の情報量は数倍になり、的確な診断のもと、取り除かなくてはならない部位と健康な部位の境界が明瞭にできます。今までのように見えていない ことで必要以上に削る必要がなくなり、感染して悪くなった部位の適切な除去、歯とぴったり合った適合精度の高い人工歯の作成・装着によって、再治療になる確率を下げることができる ようになります。また歯に対して最小の侵襲で処置を行えるようになりました。つまり、一回で治療を終了させて再治療になるリスクを減らすことができるのです。

顕微鏡を用いた歯科治療は1990年代から行われるようになりましたが、現在日本での普及率は数%程度でごく限られた人によって行われています。大学でも教育はされていません。アメリカの歯内療法専門医の資格を取るためには顕微鏡使用は義務化されています。

私は2007年より導入し国内外でトレーニングを受け、現在ほとんどすべての治療に用いて良好な結果を得ています。2012年には日本顕微鏡歯科学会の認定医を取得しています。顕微鏡 を用いて治療を行うようになり、今までの肉眼治療との歴然とした差を常に感じています。歯科治療の特徴を考えると顕微鏡は必須の道具であると確信しています。ただ、患者様の多く は顕微鏡を使った歯科治療を受けたことがありません。そこで、当クリニックの顕微鏡治療についてご理解いただくために、Q&Aを作成しました。ぜひお読みいただいて、いっしょに治療 に取り組んでいければと思います。

顕微鏡治療Q&A

Q. 何ができるのか?

A. 精度の高い診査・診断、感染部位の除去、細菌が増殖しないような精密な補綴物の作製、低侵襲な外科処置

診療記録を常に録画していますのでその場で見ていただくことができます(記録の保存)

Q. 顕微鏡治療を受けるメリットは?
A. 正確な診断のもと、精密な治療が受けられるので再発の起こりにくい状態になります。今までは自分の口の中の状態を見ることはできず医師の説明を受け、頭で想像するしかできませんでしたが、当クリニックでは顕微鏡治療は全て録画しておりますのでお口の状況をモニターでリアルタイムに見ていただくことができます。これにより患者さん自身にお口の状況が理解しやすくなっております。
Q. 治療時間は長くかかりますか?
A. 今まで受けられた肉眼治療と同じ内容と思わないでください。それは顕微鏡を使うことでよく見えているために処置することが多くなり、ある程度の時間が必要になります。特別長い訳ではありません。
本来病気を治すための適正な時間があるはずですが「見えていない治療」では問題を解決しないまま治療が進むため早く感じているだけです。
Q. 健康保険はききますか?
A. 処置の内容によって異なりますがほとんどが保険適応外になります。(高額な医療機器・機材の使用・十分な治療時間の確保ためです)
Q. 顕微鏡は目が悪くなった人が使うものか?
A. 歯科医師の中には顕微鏡は目が悪くなった人が使うものであると考えている人がいますが、肉眼で見ている部分を拡大しているだけなので目が悪いのであれば拡大しても見えません。 (どんなに視力が良くても肉眼には生理的に限界があります)
Q. ルーペ(拡大鏡)と顕微鏡は同じなのか?
A. 拡大する目的は一緒であるが拡大の仕方と明るさが異なるため見え方異なります。