歯周病とは?(ギネスブックにも載っている全世界で蔓延している感染症)


歯根の表面に歯石が付着することで、歯石と歯肉が接触し免疫反応が起こり、歯肉が腫れ、歯を支えてい る骨(歯槽骨)が吸収していく病気で、以前は歯槽膿漏と言われていました。
最初は歯と歯肉の境目(歯肉溝)についた歯垢(プラーク)の中にいる細菌により、歯肉が炎症を起こし赤く 腫れて、ブラッシング時に出血します。しかし、痛みは全くありません。さらに進行すると、歯肉の中の歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けて、膿が出たり歯が動揺し始めます。この時期になると、やっと自覚症状(痛みや腫れ)が現れます。
そして、最後には体が歯を自然に排除します。


原因は?(口の中の常在菌の増殖)


口腔内には常在菌が存在しており健康な時には体の組織と均衡を保っていますが、口腔内の常在菌が増殖(プラークの蓄積)したり、歯周組織抵抗性の低下、生活習慣(喫煙、栄養)などにより歯肉溝の内側から体内に入った細菌とそれと戦う自分の免疫の反応が歯周組織で繰り広げられ、歯周組織は徐々に破壊されていきます。
体の免疫反応は、①直接細菌を攻撃するものと ②病巣から組織が離れていく(歯槽骨の吸収)反応が起こっていきます。




歯周病が進行するとどうなってしまうのか?(日常生活で様々な困難が生じます)


  • ◆虫歯と違って歯に穴が開くわけではありませんので修復ができません。この病気にかかると歯以外の周りの組識が破壊され歯の外形はそのままの状態を保ち歯が抜けていきます。
    日本人の歯の喪失原因第1位。
  • ◆歯と顎の骨は頬の内側で顔を支えているので、これを失うと顔貌が変化します。
  • ◆食事やしゃべることが困難になっていきます。(動物が歯を失うことは死を意味します)



  • ◆咬むことができなくなる事で脳への刺激伝達能力が減少します。
  • ◆膿がたくさん出ますので口臭がひどくなり集団生活で支障が出ます。(日本人は相手に口臭があってもあまり指摘してくれません)



  • ◆歯周病が進行している人は、首から上に手のひら大の膿んだ傷口をほったらかしにしているのと同じ状態で、日常的に菌血症(血液の中に細菌が流れ込んでいる状態)を起こしています。



    これは大変危険な状態で、若くても心臓弁膜症の人などは、細菌性の心内膜炎を起こすことがありますが、原因菌の代表は口の中の細菌です。そのほかにも動脈硬化、脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病、関接リウマチ、低体重児出産など様々な全身疾患を誘発、増悪させる原因になります。

  • ・歯肉がピンク色をしている
  • ・歯肉溝の深さは1~3ミリ
  • ・歯肉から出血はない
  • ・歯槽骨が歯根のほとんどを覆っている

歯肉炎(歯肉のみ炎症が起きた場合で歯槽骨には影響がない状態)


  • ・歯肉が赤く腫れる
  • ・ブラッシング時に歯肉から出血する

歯周炎(歯肉や歯槽骨まで影響がある場合)


    歯肉炎の症状プラス
  • ・歯肉がブヨブヨと腫れる
  • ・ブラッシングで膿も出てくる
  • ・歯と歯の間が広がり、食べ物がよく詰まる
  • ・歯がグラグラする
  • ・噛むと痛む
  • ・歯槽骨の吸収が起こり始める
  • ・歯肉が退縮し歯が長く見える

歯周炎(重度)


    歯周炎の症状プラス
  • ・咬むことが困難
  • ・歯が抜ける

最終的には・・・

1.歯周基本検査 ①

レントゲン診査、口腔内写真撮影、ポケット測定、出血の有無、動揺の有無、噛み合わせのチェックを行います。


2.歯周基本治療 ②~⑤

ほとんどの歯周病に対する基本的な治療です。 ブラッシング指導を行い、歯垢・歯石の除去を行います。スケーリングとは、歯肉より上に付着している歯垢・歯石を器械で取除く事です。 その後検査②で、歯周組織が改善され、ポケットの深さが浅く(2~3mm)なればメンテナンスに移行します。 しかし、改善が見られない場合は再度スケーリングやルートプレーニング(歯肉に覆われている根の表面に付着している歯石や、毒素や微生物で汚染された表層を除去する方法)を行い再検査⑤をし、改善されればメンテナンスに移行します。


3.外科治療 ⑥、⑦

基本治療でポケットの深さが改善されず、ポケット内で細菌が生息し、ブラッシングで除去できない状態や、歯周病の進行が進んでしまった状態に対して外科的にポケットの深さを減少させる手術があります。
手術法には大きく分けて2つの方法があり切除療法と再生療法を症状に合わせて選択していきます。
ポケットが改善されれば、メンテナンスに移行します。


4.メンテナンス

歯周病の再発防止と健康の状態を維持していくために、定期的に検査と予防処置を行う事が必要です。歯周組織のチェックと専門家による歯垢、歯石の除去などのクリーニングを行う事が何よりも重要です。 どのような治療をたどっても、行き着く先はメンテナンスになります。

メンテナンスを継続して行っている人の歯周病の発症、再発のリスクは高い確率で抑えることが可能です。


治療回数と費用のおおよその目安(3割負担の場合)

治療回数と費用のおおよその目安(3割負担の場合)
歯周基本検査① ¥3,360
歯周基本検査③ ¥430
歯周基本検査⑤ ¥1,000
歯周基本治療② 2回分 ¥920
歯周基本治療④ 6回分 ¥6,400

歯周病は急に悪くなる病気ではありません。自覚症状が出にくい特徴があるため「歯が揺れる」「歯茎が痛い」というはっきりとした自覚症状が出た時にはかなり進行した状態です。

原因は口の中の細菌の繁殖ですので細菌の量を減らしていかなくてはなりません。
つまりこの種の病気(生活習慣病)は医院で治す部分より、患者さん自身が自分で治す部分が大きいため、基礎研究がいくら進歩しても治療法は昔からほとんど変化はありません。結果、特効薬はなく患者さん自身の協力度合(生活習慣の改善とセルフケア)に大きく左右されるということです。ただひどくならないうちに対策を行えば進行を抑えることができるため、この段階で意識を変えていただき治療に協力していただければ簡単に治る病気でもあります。

ひどくなった歯周病治療は難しい?



感染源をなくせば病気の進行は止まりますが、いったんひどくなってしまうと感染源をなくすことが難しい状態になります。また、感染源をうまく一時的になくしたとしてもその状態を維持すること自体が難しいのです。歯ブラシを上手に使ってブラッシングを続ければ治るかというと、歯ブラシで口の中の細菌を少なくするだけでは、歯茎に隠れ、歯の根にこびりつき、しみ込んだ細菌や細菌の毒素は簡単にはなくなりません。

歯を支えている歯槽骨の量が減ると咬むことが、かえって歯を支えている組織を破壊することになってしまいます。歯茎の形は不自然になっているので、歯ブラシできれいにすることも健康な人より数段難しくなります。特に40代から50代にかけて多いのですが、治療してもどんどん悪くなってしまう人は喫煙習慣や糖尿病などの問題を抱えています。タバコは歯周病のリスク因子の代表です。

歯周病という病気は不思議なものでひどくなると体が歯周病を治そうとしません。
体の治そうとする働きが歯と歯茎の境目に深い溝をつくり、歯を支えている組織を破壊してしまうのです。つまり歯周病になると体はトカゲが尻尾を切って生き延びるように歯を排除して治ろうとします。こうして歯を失うのです。ですから、機能や外見が破壊される前の早期に治療を行うことが肝心です。

当クリニックは開業当初から歯周病を専門に行っており、様々な症状に合わせて最適な治療法を選択していただくことが可能です。歯周病治療は慢性疾患のためメンテナンスに移行できる状態になるまで他の病気よりも治療回数・期間が長期(数回~数十回・数か月~数年)にかかりやすく、その分費用もかかります。実際に口の中の細菌を毎日減らすための清掃ができている人はほとんどいません。
是非私達と事前にしっかり話し合い、協力し合って健康を取り戻しましょう。


スタッフ一同全力で皆さんをサポートさせて頂きます。