「歯医者に行くと怒られるのではないか」「久しぶりに行ったら何か言われそうで怖い」
このような不安を抱えて、歯科医院への通院をためらっている方は少なくありません。
実はこういった方は全国に500万人いるとも言われており、割合で言うと20人に1人が歯科恐怖症とされています。
しかし、実際のところ歯科医師は患者さんを怒ることはほとんどありません。
長野県松本市の望月デンタルクリニック院長として、多くの患者様と向き合ってきた経験から申し上げると、「怒られる」という心配は必要ありません。
この記事では、歯医者が怖いと感じる理由や、その不安を解消するための具体的な対処法について、現役歯科医師の視点から詳しく解説します。
歯医者に行くと本当に怒られる?
結論から申し上げますと、現代の歯科医院で患者様を怒るということはほとんどありません。
私たち歯科医師の役割は、患者様のお口の健康状態を改善し、維持することで、患者様を批判したり責めたりすることではありません。
虫歯が進行していても、長期間受診していなくても、歯科医師が注目するのは「どう治すか」という点です。
過去のことを責めるのではなく、これからどのように改善していくかを一緒に考えることが私たちの仕事なのです。
「怒られた」と感じてしまう背景
ただし、過去に以下のような経験から「怒られた」と感じてしまった方もいらっしゃるかもしれません。
- 治療の説明が不十分で、専門用語ばかりで話された
- 虫歯が多いことについて、口調が強かったり呆れたような態度をとられた
- 予防の重要性を強調されすぎて、責められているように感じた
- コミュニケーションが不足していた
こうした経験がトラウマとなり、「歯医者=怒られる場所」というイメージが定着してしまうケースがあります。しかし、これは決して標準的な対応ではなく、最近の歯科医院では患者様に寄り添う姿勢を重視しているところが増えています。
歯医者が怖いと感じる主な理由
歯医者が怖いと感じる理由は人それぞれですが、主に以下のような要因が挙げられます。
1.過去のトラウマ体験
スウェーデンの研究によると、85%もの患者が小児期に歯科治療の恐怖が始まったと述べています。子どもの頃に経験した以下のような出来事が、大人になっても影響を及ぼしています。
- 麻酔が十分に効いていない状態で治療された
- 痛くても我慢するよう言われた
- 無理やり押さえつけられて治療を受けた
- 治療の説明がなく、不安なまま処置が進められた
このような体験は、「歯医者=痛い・怖い場所」という強いイメージを植え付けてしまいます。
2.痛みへの恐怖
歯の治療に伴う痛みへの不安は、多くの方が抱える恐怖の中心です。
特に麻酔の注射が苦手という方は多く、「虫歯の治療も嫌なのに、麻酔まで痛かったら絶対に行きたくない」という気持ちになるのも当然です。
3.独特の音や臭い
- 歯を削る「キーン」という高音
- 消毒液やホルマリンの独特な臭い
- 治療器具の見た目
これらは理屈ではなく、五感を通じて感じる「感覚的な恐怖」として、強く記憶に残ります。
診療室の環境そのものが不安を煽ってしまうのです。
4.口の中を見せることへの抵抗感
口の中はプライベートな部分であり、他人に見られることに抵抗を感じる方は少なくありません。特に、歯磨きが不十分だったり虫歯があったりすると、「恥ずかしい」「申し訳ない」という気持ちが強くなります。
5.「怒られる」という心理的プレッシャー
「しばらく歯医者に行っていなかった」「虫歯を放置してしまった」という罪悪感から、「きっと怒られるに違いない」と思い込んでしまうケースも多くあります。
この不安がさらに受診を遠ざける悪循環を生んでいます。
実は多い?歯科恐怖症について
歯科恐怖症とは
歯科恐怖症は、WHO(世界保健機関)により「恐怖性不安障害」の一つに分類されています。これは、特定の場面において極度の不安や恐怖を感じてしまう疾患で、高所恐怖症や閉所恐怖症と同じカテゴリーに属します。
歯科恐怖症の臨床的な定義実態は明らかでないのですが、歯科恐怖症患者は全国に500万人いるとも言われています。割合で言うと、20人に1人くらいです。決して珍しい症状ではなく、多くの方が同じような悩みを抱えているのです。
歯科恐怖症の主な症状
歯科恐怖症の症状には、心理的症状と身体的症状があります。
心理的症状
- 歯医者のことを考えるだけで憂鬱になる
- 予約日が近づくと強い不安に襲われる
- 過去の治療経験がフラッシュバックする
- 予約を入れてもキャンセルしてしまう
身体的症状
- 動悸や息切れ
- 発汗や手足の震え
- めまいや頭痛
- 吐き気や嘔吐反射
- 血圧の上昇
これらの症状は、強いストレスによって引き起こされる身体の反応です。
歯科恐怖症になりやすい人の特徴
統計によると、歯科恐怖症は以下のような特徴があります。
- 女性に多い傾向がある
- 20~40代に多く見られる
- うつ病やパニック障害など、心の病気を抱えている方に発症しやすい
- もともと不安感が強い性格の方
歯医者を受診しないリスク
一方で歯科恐怖症などで歯医者を避け続けると、以下のような深刻なリスクが生じます。
1.虫歯・歯周病の進行
虫歯は自然に治ることはありません。放置すればするほど悪化し、最終的には歯を失う可能性が高くなります。
初期の虫歯なら簡単な治療で済むものが、放置することで神経を取る治療や抜歯が必要になってしまいます。
早期に治療を受けていれば、以下のようなメリットがあります。
- 治療期間が短くて済む
- 治療費が抑えられる
- 痛みの少ない治療で済む
- 歯を残せる可能性が高い
2.全身の健康への影響
お口の健康は、全身の健康と深く関係しています。虫歯や歯周病の菌が血流に乗って体中に広がると、心臓病や糖尿病、脳梗塞などのリスクが高まることが研究で明らかになっています。
また、しっかり噛めないことで栄養摂取が偏ったり、消化器官に負担がかかったりすることもあります。
3.生活の質(QOL)の低下
歯の状態が悪化すると、以下のような問題が生じます。
- 人前で笑えない、口を開けられない
- 人と話すのが億劫になる
- 外出や社交活動を避けるようになる
- 自信を失い、精神的にも悪影響が出る
このように、歯科受診を避け続けることは、お口だけでなく心身の健康や生活全体に大きな影響を及ぼすのです。
歯医者の恐怖を克服する対処法
歯医者が怖いという気持ちは、適切な対処法によって軽減することができます。
ここでは、具体的な克服方法をご紹介します。
自分の恐怖心を正直に伝える
まず最も重要なのは、「歯医者が怖い」「不安がある」ということを、遠慮せずに歯科医師やスタッフに伝えることです。
どのようなことが不安なのか、何が苦手なのかを具体的に話すことで、それに配慮した治療を受けることができます。
たとえば以下のように伝えてみましょう。
- 「機械の音が特に苦手です」
- 「麻酔の注射が怖いです」
- 「久しぶりの受診で不安です」
- 「過去に痛い思いをしたことがあります」
痛みを抑える技術を活用する
現代の歯科医療では、痛みを最小限に抑えるための様々な技術が導入されています。
| 表面麻酔 | 注射の針を刺す前に、歯茎の表面に麻酔のゲルやシールを塗布することで、針を刺すときの痛みを軽減します。 |
| 電動麻酔器 | コンピューター制御により、麻酔液を一定の速度でゆっくりと注入することで、圧力による痛みを減らします。 |
| 極細針の使用 | できるだけ細い針を使用することで、刺入時の痛みを軽減します。 |
| 笑気麻酔 | リラックス効果があり、不安や恐怖心を和らげる |
リラックスできる環境を選ぶ
歯科医院を選ぶ際は、以下のポイントを確認してみましょう。
- カウンセリングルームがあり、しっかり話を聞いてくれる
- 完全個室や半個室の診療室がある
- 空気清浄機やアロマで臭い対策をしている
- 音楽を流すなど、リラックスできる工夫をしている
- 治療の説明を丁寧にしてくれる
段階的に慣れていく
いきなり本格的な治療を受けるのが不安な場合は、以下のようなステップで徐々に慣れていく方法もあります。
| ステップ1 | 相談だけ | 初回はカウンセリングと診察のみで、治療は行わない。歯科医院の雰囲気や先生の人柄を確認します。 |
| ステップ2 | クリーニング | 痛みの少ない歯のクリーニングや検診から始めて、歯医者に通うことに慣れていきます。 |
| ステップ3 | 簡単な治療 | 比較的簡単な治療から始めて、徐々に本格的な治療へ進んでいきます。 |
鎮静法の活用
恐怖心が特に強い場合は、以下のような鎮静法を活用する方法もあります。
笑気吸入鎮静法
鼻から笑気ガスを吸入することで、リラックスした状態で治療を受けられます。
意識はあるため、治療中のコミュニケーションも可能です。保険適用で受けられる場合もあります。
静脈内鎮静法
点滴によって鎮静薬を投与する方法です。
うとうとした状態になり、恐怖心や不安感が大幅に軽減されます。「気づいたら治療が終わっていた」という感覚で受けられます。
これらの方法は、すべての歯科医院で対応しているわけではないため、事前に確認が必要です。
信頼できる歯科医院を探す
歯医者選びは、恐怖心を克服するうえで非常に重要です。以下の点をチェックしてみましょう。
ホームページで確認できるポイント
- 痛みへの配慮について詳しく記載されているか
- 歯科恐怖症への理解や対応について書かれているか
- 院長やスタッフの人柄が伝わる内容か
- 診療室の雰囲気が写真で確認できるか
実際に問い合わせて確認すること
- 初回カウンセリングに時間を取ってくれるか
- 痛みが苦手であることに配慮してもらえるか
- 治療の選択肢を説明してくれるか
複数の歯科医院を比較して、自分に合った医院を見つけることが大切です。
望月デンタルクリニックでの取り組み
「歯医者に行くと怒られる」という不安は、多くの方が抱える心配ですが、現代の歯科医院では、患者様に寄り添い、安心して治療を受けられる環境づくりに力を入れています。
歯医者が怖いと感じる理由は人それぞれですが、適切な対処法によって恐怖心を軽減することは可能です。
長野県松本市の望月デンタルクリニックでは患者様が安心して治療を受けられるよう、初診時には十分な時間をかけてカウンセリングを行い、患者様のお悩みや不安、ご希望をしっかりとお伺いします。
また、最新の機器や技術を用いて、できる限り痛みの少ない治療を心がけています。麻酔の方法にも工夫を凝らし、患者様の負担を最小限に抑えます。
歯医者が怖い、久しぶりで不安という方も、まずはお気軽にご相談ください。
一緒に、健康なお口を取り戻していきましょう。
| 医院名 | 望月デンタルクリニック |
| 院長 | 望月 一彦 |
| TEL | 0263-24-8148 |
| 所在地 | 〒390-0851 長野県松本市両島1-13 |
| 診療時間 | 9:00〜13:00 / 14:30〜18:00 |
| 休診日 | 木曜・日曜・祝日 |
参考情報
※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の症状や治療法については、必ず歯科医師にご相談ください。
