rootcanal
treatment

精密根管治療

歯科用マイクロスコープを使用して根管治療を行う歯科医師

根管治療とは?

根管治療(歯内療法)は、歯の神経(歯髄)や血管が通っている「根管」と呼ばれる細い管の中から、感染や炎症を起こした組織・細菌をきれいに取り除き、歯を保存するための治療です。

主に「虫歯が神経まで達してしまった場合」や「歯の根の先に膿がたまっている場合」に行われます。

現代の歯科医療では、できる限り自分の歯を残すことが重要視されており、根管治療はそのための非常に大切な治療です。

歯の断面図と歯髄の神経・血管を示すイラスト

根管治療の再治療・再発が多い理由

根管治療は、歯の内部(根管)を徹底的にきれいにし、密封することで再感染を防ぐ治療です。

しかし、実際のところ「根管治療を受けたのにまた痛くなった」、「再治療を勧められて不安になった」というご経験をお持ちの方は少なくありません。

これは、日本と海外の保険制度や治療方法による違いによるものです。
保険診療による根管治療
日本の保険診療制度では、診療報酬の仕組みにより、使用できる材料や治療にかけられる時間に一定の制約があります。

例えば「ラバーダム(ゴムのシート)による防湿」や「マイクロスコープやCTによる精密な診断」など、一部の先進的な設備や技術が標準的には使用されないことがあります。

また、患者様ひとりひとりに対して十分な治療時間を確保することが難しい場合もあります。

こうした背景から、治療後に再び細菌が感染してしまうリスクが残ることがあり、再治療や抜歯が必要になるケースも見られます。

自由診療での根管治療(当クリニックの取り組み)

項目 精密根管治療(自由診療)
マイクロスコープ
ラバーダム防湿
ニッケルチタンファイル
デジタルレントゲン・CT
再発防止対策 ◯(根本原因を精査)
使用する薬剤 次亜塩素酸Na等
治療時間 1回60~120 分
治療回数 1~3回
成功率(5年後) 85~95%
項目 根管治療(保険診療)
マイクロスコープ ✕(ルーペ・拡大鏡)
ラバーダム防湿 ✕(一部・未使用)
ニッケルチタンファイル
デジタルレントゲン・CT △(レントゲンのみ)
再発防止対策 △(症状緩和が中心)
使用する薬剤 超音波洗浄+EDTA・活性次亜塩素酸
治療時間 1回15~30 分
治療回数 4回以上
成功率(5年後) 50~60%

当クリニックの精密根管治療の特徴

当クリニックでは、こうした背景から、成功率の高い欧米のガイドラインに準拠した世界基準の精密根管治療を提供しています。
Feature.01

エビデンスに基づいた精密治療

当クリニックでは欧米で行われている世界標準の根管治療(自由診療)に準拠し、最新の知見を取り入れ、科学的根拠(エビデンス)に基づいた信頼性の高い治療を行っています。

Feature.02

精密根管治療専用設備の完備

歯の内部を3Dで把握できるCBCT(コーンビームCT)、肉眼の20倍以上の視野と高照度ライトを利用できるマイクロスコープ、感染防止に効果的なラバーダム防湿など、世界基準の根管治療を実現するための設備を完備しています。

Feature.03

様々な状態に対応可能

根管治療は、歯内の状態によって以下のような様々な治療方法がありますが、初回処置から難易度の高い歯根端切除術まで全てワンストップで対応しています。

  • 初回根管治療(抜髄処置、感染根管処置)
  • 再根管治療(過去に根管治療を行ったが予後不良になった場合の治療)
  • 外科的歯内療法(通常の根管治療で治癒しなかった場合の治療)
  • 穿孔修復(過去の治療で根管内部に穴が開いてしまった場合の治療)
  • 異物除去(過去の治療でリーマーが破折し残留してしまった場合の治療)
  • 根端切除術(外科手術で根尖部を切除し、感染源の除去と確実な封鎖)
Feature.04

十分な診療時間と短期集中治療
チームアプローチ

根管治療は短時間の診療では十分な治療はできず、長期にわたる通院では再感染や歯の破折のリスクが高くなるためできるだけ短期間に終了させる必要があります。
当クリニックでは1回の診療時間は60~120分ほどの時間をかけ、平均1~3回の通院で治療が終了します。

Feature.05

根管治療後のメンテナンス

根管治療が終了した後は、再び細菌が根管内部に侵入しないようにする必要があります。
どんなに質の高い根管治療を行っても口腔内に細菌が増殖してしまっては再感染のリスクは高くなります。
また咬むことによって人工歯のすり減りなどで咬み合わせも変化し、知らない間に負荷がかかることもあるため、問題がおきないよう治療後も定期的なメンテナンスを実施しています。
※状態によって異なりますが、3~6か月に1回のメンテナンスをおすすめしています。

精密根管治療で使用している機材

歯科用CT撮影装置と3Dイメージングシステム

CBCT(コーンビームCT)

歯の内部の状態を把握するために一般的に用いるレントゲン写真は平面的な2D画像のため、部分的にしか把握することが出来ません。
CBCTでは立体的な3D画像で複雑な根管内部やその周辺の状態を正確に把握することができるほか、医科用CTと比べても被ばく量が非常に低いため、体への負担も最小限に抑えられています。
根管内洗浄を行うための歯内治療器具 Endo Activator

超音波洗浄

複雑な形態をしている根管内は、その部分に対して少しでも細菌を減らすための洗浄が重要です。
根管治療専用に開発された超音波チップは、水中にて非常に強い分解エネルギーを持った酸素の泡を発生させ、根管内に残っている削り取った汚染物質の切削片を隅々まで洗い流します。
Carl Zeiss製歯科用マイクロスコープ OPMI PROergo の操作ハンドル部分

マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)

当クリニックではカールツァイス社製最上位モデルPRO ERGOのマイクロスコープを中信地区で初めて導入しています。
マイクロスコープを導入することで、根管の状態や感染状況を正確に把握し、専用器具を用いて精密な治療が行えます。
根管治療で使用するラバーダムシート nic tone 製

ラバーダム防湿

ラバーダムとは、治療する歯のみを露出するゴムのシートです。
ラバーダムを使用することで、治療途中に細菌が多く含まれている唾液の進入を防ぎ、術野の明示、周囲組織軟組織の保護が可能となります。
※ラバーダムが使用できない歯は根管治療適用外となります。
根管充填材 ProRoot MTA のパッケージと製品内容

CWCT/Single point/MTA(根管充填材)

根管内の起炎物質を除去した後の空隙を可能な限り封鎖し、細菌が根管系から歯周組織に出るのを防ぎます。
複雑な根管の状態により封鎖法や薬剤を選択しています。
水酸化カルシウム製剤 Calfee paste(GC製)と付属ノズルチップ

水酸化カルシウム(薬剤)

機械的拡大と根管洗浄を行っても細菌は0にはならないため、さらに細菌を減少させることを目的に根管内に薬を貼薬します。
使用薬剤は水酸化カルシウムを使用します。

ニッケルチタンファイル

ファイルとは、根の中の細菌に感染してしまった歯髄を除去するときに使用するヤスリのことです。
保険治療で使用されるファイルは通常ステンレス製ですが、当クリニックが実施する世界基準の根管治療ではニッケルチタン製のファイルを併用しています。
また、当クリニックのファイルはすべてディスポーザブルとなっており、感染防止を徹底しています。

望月デンタルクリニックの精密根管治療の流れ

01

ご予約・ご来院

電話またはフォームからご相談ください
02

問診・カウンセリング 

現在のお悩みや症状、治療に関するご希望などを詳しくお伺いします。
03

精密検査

3DでのCT撮影、マイクロスコープを使用し、複雑な根管形態や細菌感染の状態を正確に把握します。
04

診断・治療計画のご説明

検査結果に基づいて、現在の歯周病の進行状況、考えられる原因、具体的な治療法、治療期間、費用、リスクなどについて、分かりやすくご説明します。
必ず患者様にご納得いただいた上で治療を開始します。
05

初期治療(基本治療)

歯や周囲の組織に十分な麻酔を施し、痛みを最小限に抑えます。
麻酔後は治療する歯にゴム製のシート(ラバーダム)を装着し、唾液や細菌の侵入を防ぎます。
06

根管形成(抜髄・感染除去)

根管治療を行うために、歯の表面から小さな穴を開け、専用の器具や薬剤を使い、根管内の感染した歯髄や汚染物質、細菌を丁寧に除去します。
除去後は、根管の壁を専用ファイルで拡大・滑らかに成形し、後の消毒・充填がしやすい状態に整えます。
07

根管洗浄

初期治療の効果を判定するため、再度歯周ポケット検査などを行います。
08

根管充填

清掃・消毒が十分であることを確認した後、根管をすき間なく密封します。
09

支台築造と被せ物の装着

精度の高い根管治療が適切に行われたとしても、その後の支台築造や歯冠修復が不十分であれば、口腔内細菌が再び侵入して病気が再発する可能性が高くなります。
根管治療後に精密な適合の良い修復物の装着と強くかむ力への対応が重要です。

支台の築造

治療後の歯は強度が落ちているため、ファイバーコアやメタルコアなどで支台を作ります。

被せ物の型取り・装着

型取りをして精密な被せ物を製作し、最終的に装着します。

歯冠修正

歯の歯冠(しかん)部分(歯ぐきより上に見えている部分)の形や大きさ、高さなどを適切に調整・修正します。
10

治療後の定期検診(メンテナンス)

治療後は治療した歯の状態や、根の先の炎症が再発していないかを定期的に確認します。
また、再感染や虫歯の再発を防ぐために、1〜6ヶ月ごとの定期的な歯科検診やクリーニング、適切なホームケアのご案内も行います。
PRICE

精密根管治療の費用

初診(診査・診断) 問診・視診・レントゲン・CT(60分) 16,500円
応急処置代 応急処置 別途5,500円
治療準備 コア除去・カリエス除去・歯肉切除・隔壁作成 44,000円
歯髄炎(抜髄)
前歯(1~3)※1 143,000円
小臼歯(4・5)※1 165,000円
大臼歯(6・7)※1 198,000円
根尖性歯周炎(再治療)
前歯(1~3)※1 165,000円
小臼歯(4・5)※1 198,000円
大臼歯(6・7)※1 231,000円
歯根端切除
前歯(1~3)※1 176,000円※2
小臼歯(4・5)※1 209,000円※2
大臼歯(6・7)※1 253,000円※2
オプション (抜髄・再治療)
MTA根充(1根管につき) 11,000円
破折リーマー除去(1根管・難易度による) 55,000円~
支台築造(ファイバーコア) 33,000円
歯髄保存治療(MTAによる覆髄、断髄) 110,000円
穿孔部修復(パーフォレーションリペア)※3 55,000円
共通オプション
笑気ガス(1時間ごと) 11,000円
仮歯(前歯) 11,000円
仮歯(小臼歯・大臼歯) 6,600円
※上記は自由診療の金額となります。
※1=ラバーダム・投薬・笑気ガス3回含む
※2=治療後、2年以内に歯根端切除が必要になった際は半額となります。
※3=鎮静処置(笑気ガス)含む

精密根管治療の症例

※本症例は一例であり、治療結果・期間・費用は個人差があります。詳細は診察時にご説明いたします。

感染根管治療(リトリートメント)

項目
内容
年齢・性別
根管治療前と思われる臼歯部のデンタルX線画像で、根尖部に透過像が見られる。
治療前
根管治療後の臼歯部のデンタルX線画像。
治療後
年齢・性別
非公開
来院理由
右下奥歯で咬むと違和感がある/歯ぐきが腫れてきた
治療内容
  • ① 顕微鏡視下根管治療(マイクロエンド)
  • ② 根管拡大・洗浄2回
  • ③ 2ヶ月経過観察で再生反応確認後に根管充填
  • ④ マイクロスコープ下でファイバーコア築造+セラミック冠装着
治療期間
約3ヶ月半(1回の治療:1~2時間)
費用
  • マイクロエンド132,000円
  • ファイバーコア 22,000円
  • 仮歯 6,600円
  • セラミック冠 165,000円
リスク・副作用
  • 術後の腫れ・痛み・出血
  • 慢性根尖性歯周炎が再発する可能性
  • 定期的なチェックが必要
医院コメント
  • サイナストラクトは消失し、CTでも透過像の改善を確認。
  • 術後数日で痛み消失し、セラミック装着後も良好な咀嚼が可能。
  • 現在は年1 回の定期チェックを継続中。

抜髄(イニシャルトリートメント)

項目
内容
治療前後写真
治療前の下顎臼歯部X線画像で、根尖部に病変が示唆される透過像がある。
治療前
治療後の下顎臼歯部のX線画像で、根尖部が改善している様子が確認できる。
治療後
年齢・性別
非公開
来院理由
奥歯がしみて痛む(右上第2大臼歯 #27)
治療内容
  • ① CT診査で根管形態を把握
  • ② マイクロスコープ+ラバーダム下で抜髄(根管清掃)
  • ③ 2回目で根管充填・ファイバーコア封鎖
  • ④ 3回目:支台歯形成・印象
  • ⑤ 4回目:セラミッククラウン装着
治療期間
約1ヶ月半(1回の治療:1~2時間×4回)
費用
  • マイクロエンド 132,000円
  • ファイバーコア 22,000円
  • 仮歯 6,600円
  • セラミック冠 165,000円
リスク・副作用
  • 術後の腫れ・痛み・出血
  • 根管内組織を完全に除去できない場合、慢性根尖性歯周炎へ移行する可能性
  • 定期的なチェックが必要
医院コメント
  • 抜髄後数日で痛みが消失。
  • セラミック装着後も正常に咀嚼でき、現在は年1回の定期検診で良好な経過を維持。

外科的歯内療法(歯根端切除術)

項目
内容
年齢・性別
前歯部の根管治療前のデンタルX線画像で、根尖部に大きな透過像が認められる。
治療前
前歯部の根管治療後のデンタルX線画像で、根尖部に透過像の改善が見られる。
治療後
年齢・性別
非公開
来院理由
他院で根管治療後も歯根部が腫れ、違和感が続く
治療内容
  • ① 顕微鏡下根管再治療(マイクロエンド)
  • ② 歯根端切除術(マイクロサージェリー)
  • ③ ファイバーコア築造+セラミッククラウン装着
  • ④ マイクロスコープ下でファイバーコア築造+セラミック冠装着
治療期間
約2ヶ月半(1回の治療:1~2時間を数回実施)
費用
  • マイクロエンド132,000円
  • ファイバーコア 22,000円
  • 仮歯 6,600円
  • セラミック冠 165,000円
リスク・副作用
  • 術後の腫脹・疼痛・出血
  • 慢性根尖性歯周炎が再発する可能性
  • 歯根切除による歯根体積減少に伴う歯の動揺リスク
医院コメント

通常の根管治療では消失しなかった大きな根尖病変に対し外科的処置を追加。1年後には病変の消失と症状の改善が確認できました。
今後も定期チェックで長期安定を図ります。

FAQ

よくある質問(Q&A)

その他のよくある質問
Q1.
根管治療は痛いですか?
A1.
事前に十分な麻酔を行いますので、治療中の痛みはほとんどありません。
また、笑気麻酔もございますので痛みに不安がある方も安心して治療を受けていただける環境となっております。
Q2.
何回通院が必要ですか?
A2.
症例や感染の状態によりますが、3回以内に終了することが多いです。複雑な場合はそれ以上かかることもあります。
Q3.
治療した歯はどのくらいもちますか?
A3.
適切に治療・管理すれば10年以上機能することもありますが、再感染リスクはゼロではありません。定期的な検診が大切です。
Q4.
他院で抜歯を勧められた歯も治療できますか?
A4.
状態によっては保存できる場合があります。CT撮影や精密検査で診断しますので、お気軽にご相談ください。
Q5.
根管治療後の歯が再び痛くなることはありますか?
A5.
根管内に細菌が残ると再発の可能性があります。再治療も可能ですが、精密な治療が求められます。
Message

担当医(望月 一彦院長)からのメッセージ

根管治療は、私が最も苦手だった分野ですが、「歯を抜かずに残したい」という想いから学び続けてきました。 2010年に米国式根管治療を学び、無菌環境やマイクロスコープなどの先端技術が、治療成功率を大きく左右することを実感しました。 しかし、日本の保険診療では本当に質の高い治療を続けるのは難しい現実があります。 だからこそ私は自由診療で、世界基準の根管治療を提供し、大切な歯を1本でも多く残すことに力を注いでいます。 私自身も歯の治療で苦しんだ経験があるからこそ、患者さんの不安に寄り添い、最善を尽くすことをお約束します。 「抜歯宣告を受けたけれど歯を残したい」「再治療を繰り返している」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
スタッフ紹介
歯科医師が院内で笑顔を見せているポートレート写真。ユニフォームには「MOCHIZUKI DENTAL CLINIC」のロゴが入っている。
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根管治療でお悩みの方は松本市の望月デンタルクリニック

根管治療は、歯をできるだけ残すための大切な治療です。 望月デンタルクリニックでは、マイクロスコープやCTなど最先端の機器と高い技術力を駆使し、再発の少ない精密な根管治療を心がけています。 「他院で抜歯を勧められた」「抜歯と言われた」「繰り返す痛み・腫れがある」「再治療が必要になった」などでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。 安心して治療を受けていただけるよう、丁寧な説明とアフターケアをお約束します。

診療時間 日祝
9:00 〜 13:00
14:30 〜 18:00
休診日/木曜・日曜・祝日
電話受付時間/9:00〜13:00 14:30〜17:00
時間外は留守電話になっておりますのでメッセージをお入れ下さい