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root canal specialist

なぜ根管治療専門医を目指したのか

所属学会

  • 日本顕微鏡歯科学会
  • 日本歯内療法学会
  • 日本臨床歯周病学会
  • 日本口腔インプラント学会
  • 日本矯正歯科学会
  • OJ正会員
    (Osseointegration study club of japan)
  • AAP(アメリカ歯周病学会)

今でこそ満足のいく根管治療を行うことができるようになっていますが、25年前の新米のころは最も苦手な治療科目でした。大学卒業後は今のような特定の科目の専門医になるつもりはなく、歯科の全ての科目を治療する一般歯科を目指していました。そのため自分の苦手なものを克服するために卒業後すぐ東京に行き、初めて受講した外部研修が根管治療であったことを今でもはっきり覚えています。

歯科医師は抜歯を回避させることが最も重要な使命であるにもかかわらず、根管治療の経過不良によって救えない歯を毎日見ており、「この問題を解決しなければならない」と常に考えていました。そんな中、私に大きなターニングポイントが訪れました。2010年。米国式根管治療法を勉強する研修会に参加したときでした。日本人もアメリカ人もかかっている病気は一緒であるのに、成功率が圧倒的に米国式根管治療法の方が高かったのです。何がそんなに違うのか。日本で行っているものとの違いは何か。

それは「無菌的な環境で治療すること」。そのためにラバーダムを用い、CT撮影から歯根の形態を術前に把握し、マイクロスコープを用いてその形態に沿ってニッケルチタンファイルで拡大・清掃し、超音波による薬液洗浄を施し、除去した部位を緊密に薬で充填する。これを短期間に行うことでした。

今まで私が受講してきた根管治療の講習は保険診療で行う根管治療の内容であり、世界標準から考えると「無菌的に行う」という最も基本的なコンセプトが抜けていることに気が付いていなかったのです。これが患者さんの歯を救う最適な治療法であると確信しました。

受講後にこの方法を実際に行うと、今までと比べものにならないほど良好な成績が得られることを実感しました。しかし無理やり保険診療で行った結果、経営的には大赤字となり継続することが困難な状況に陥りました。

日本の保険診療でこの一連の治療を行うことは保険のルールにより、使用材料が制約され、低い診療報酬で設備投資ができず、経営ができません。保険の範囲では実行不可能なのです。かなり悩みましたが、2010年より、この治療法を自由診療で継続することを決めました。この難しい治療を通じ、患者さんの歯を長期間健康に保存・維持することに私の人生をかけたい――。そう考えて専門科目とし、日々技術向上のため学会や数多くの講習会に積極参加しています。

私自身も若い頃、自分の歯の治療で非常に困らされた経験があります。さまざまな診療科にお世話になりましたが、歯科治療のストレスは飛び抜けていました。その経験があって歯科医を目指した経緯もあります。現在も根管治療の経過不良による再治療や早期抜歯で苦しんでいる患者さんを、毎日数多く見ております、大切な歯の寿命を縮めないために。根管治療でお困りの方は、是非ご相談いただきたいと思います。